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第一章 はじまり ②

 スプリット市のある図書館。
 ここに来る人は少なく、赤レンガに蔦のはった外壁は、橙色の西日を浴びて一層寂しく、古びて見えた。

 「まだ貸出、返却処理を行っていない方はすぐに・・・」と館内では閉館を知らせる放送が流れていた。しかしそれを聞いている人は司書の他には一人しかいなかった。
 本棚の角にあるイスに座って本を読んでいた、量の多い金色の髪を下の方に二つに結んだ少女は、放送に気が付いてやっと本を閉じた。それから手に持っているのと足元に置いてあった本を抱えてカウンターに向かった。
 どんっと重い音をさせてカウンターのテーブルに置く。本は全部で五冊。どれもコンパクト化した国語辞典並みの厚みがある。
 「あら、あなたならこの本はもう読んでいたと思ってたわ」
貸出処理で日付スタンプを押しながら、図書館員は気さくに声をかけてきた。
  「うん、今まで読もうと思ってたんだけど他にも読みたい本がいっぱいあって」
そう言って差し出した貸出カードには“シュナ=ヴァンデルテ”と書かれていた。
 シュナは重たい本をバック入れ、抱えるように持って閉める準備をしている図書館を後にした。


 「ちょっと借りすぎたかも」
手には重たい五冊の本に、背中にはだいぶ使い込んである深緑に茶色のラインが入ったスクールバッグを背負っていた。学校帰りに直接来たのがまずかったな。家まで遠いのに歩かなきゃいけないや。そんなことを思いながら車が三・四台しか通らない道を歩いていった。
 適当にコンクリートを敷いたような道路は数本しかなく、ちょっと北に行くと、道の周りは見渡す限りの畑が広がっている。ぽつん、ぽつんと家が建っているぐらいだった。



to be continued……

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第一章 はじまり ①

 セログラン国は、アラシア大陸の南東に位置する、世界で五番目に小さな国である。
 国内は東西南北によってそれぞれ特色に分かれていて、何ともわかりやすい地理をなしていた。東がイオン山脈とガイアの森がある自然地帯、西が工業地帯、南がアクリス海が広がるシイ湾があり、北には農耕・牧畜が土地を占めている。
 
 そして中央には住宅街などがあり、近年高層ビルが多く建設されている。その中でも一番高く、この国のちょうど真ん中にそびえ立っているのが“セントラルタワー”である。このセントラルタワーでは政治や貿易管理をしていて、まさにこの国の中心的な役割を果たしていた。
 
 この国では昔から、ある噂が人々の間でささやかれている。
「この国は軍人を実験台に使って研究したのではないか。」というものである。というのも、セログラン国は二十年前にディアナ国と戦争をしていた。戦争の結果はセログラン国の勝利に終わったのだが、出兵した軍人は一人も帰還してこないのである。また、この終戦後からこの国の医療が急激に発達しているので、そんな事が言われているのだが・・・。
「じゃあ、軍人は一人残らず戦死したの?」ということになり、結局今でもこの噂の真実はわかっていない。



to be continued……

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| Children | 12:38 | comments:2 | TOP↑

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