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第二章 闇への逃走 ③

 目の前に動かないお母さんがいて、見てしまった誘拐現場の男たちがわたしの家のリビングにいる。「一緒に車に乗れ。」と言われて、あの時わたしは何ができただろう。 逃げれば良かったの?
 とっさにキッチンから包丁を取って抵抗できたかもしれない。
 窓から飛び出して、その間に警察にでも電話すれば良かったのかもしれない。
 でも、体が動かなかった。
 そんなことしても周りは何もない所だから捕まってしまうだろう。
 わたしはその男たちに従うしかなかった。
 
 男はソファーにお母さんを置きざりにし、わたしは黒光りした車に乗せられた。
 一人は運転席に座り、もう一人はわたしの横に座った。
 手足を縛られたり、銃を突きつけられはしなかった。
 しかし、車は乗ったと同時に内側からロックをされた。自分で開けようとしたら開けられる、普通の車と同じだ。けど逃げるなんてそんな勇気はなかった。

 車はお母さんとわたしの家を置いて、真っ暗な外へと発進した。




 どのくらい時間が経ったのだろう。畑しかなかった見慣れた光景は消え、だんだんと人口の光の中へと来ていた。どうやら都心に向かっているようだ。
 その間も二人の男は一言も喋らなかった。
 外の音も聞こえず、ただ車の走る音だけがした。
 わたしはずっと心臓を握られているみたいに苦しかった。手はぎゅっと握ったままで、肩と足には力が入り、ずっと硬直した身体のままだ。右側のドアにぴったりと座り、なるべく男と離れて座っていた。
 不意に着信音が鳴った。
 隣にいた男が胸のポケットから携帯を取り出して、ピッとボタンを押して電話に出る。
 「もしもし。はい。今ヴィレア通りを走っていまして、あと40分でそちらに着きます。・・・はい、母親は殺して子供は車に乗せました。・・・はい、承知いました。」
 
 わたしは現実に戻ったように息を大きく吸ってしまった。
 お母さんは・・・殺されたんだ。
 あの時・・・あの時見たお母さんはもう死んでいたんだ。
 そしてこの時初めて「自分も殺される」という恐怖が湧き出た。
 このままでは自分までも、どこか知らない場所に連れられて殺されてしまうんだ。
 死の恐怖がシュナの身体を動かした。
 悟られないようにゆっくりうつむきながら前のバックミラーから見られないようにして、横目でドアをチェックした。
 自分の家のと同じで、ドアの鍵は凸になっている部分を上に引き上げれば良さそうだった。
 今度は横目で左に座っている男を見た。
 「この子は逃げれない」と安心しているのだろうか、窓から外を見ていた。でもくつろいでいる感じはない。
 けど逃げるったってどうしよう。ドアから普通に出ようとしたって隣の男が後ろからわたしを捕まえるだろう・・・。

 わたしはアクション映画と同じことをしようと必死に主人公が逃げるワンシーンを思い出そうとした。
 車のスピードは案外出ていなかった。
 自分は今から殺されるかもしれないのに、意外と頭は働いているものだった。
 このまま乗っていって殺されてもいいの、シュナ!?何もしないで殺されてもいいの!?
 シュナは自分に言い聞かせた。そう、一か八かでも行くしかない!
 
 対向車線から来る車が途切れた。
 左手で鍵を引き上げ、同時に右手でドアのフックを引いた。
 そして勢いよくドアを開けて、走る車から外に飛び出した。



to be continued……

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| Children | 14:01 | comments:5 | TOP↑

COMMENT

神楽崎 ゆうさん、初めまして!^^
先日は、ブログに来訪&コメントしてくださり、ありがとうございましたv

早速、神楽崎さんの小説、読ませていただきました!^^
ストーリーの展開など、とても面白く読ませていただきましたっ!^^
これからも楽しみにしています~!

当ブログもまた更新しようと思っているので、
ぜひぜひまたいらしてくださいね^^
お待ちしております♪

| りゆ | 2006/08/27 23:02 | URL | ≫ EDIT

わあ!
コメントありがとうございます♪
読んでくれたのですね・・・!
「とても面白く」なんて嬉しいどころではありません!!!!
更新しているしがいがあるってものです(^v^)★☆

こんなお粗末な文章でよかったら又読みに来てください♪
私の読みに行きますねぇ(^O^)/


| 神楽崎 ゆう | 2006/08/28 15:03 | URL | ≫ EDIT

案外子供のほうが、こういうのは体が柔らかくて、体重が軽いので、怪我をしないらしいです^^
でも、かよわい少女がやるには、すごい勇気がいりますよね><
ちゃんと無事逃げられたのか?
その後どうするのか?
次回も楽しみにしていますね^^

| 月 黎風 | 2009/08/06 13:50 | URL | ≫ EDIT

>月 黎風さん
いつも1話1話にコメント、ありがとうございます(ρ_;)号泣

実は月さんにコメントを頂いてるたびにその記事を自分でも読み返しているのですが・・・
誤字脱字パねぇwwww
と自分の文章に笑ってしまいました^^

なのでちょこっとずつ文が編集されていってます。
これも月さんのおかげです♪笑

次回楽しみになるような小説を書き続けられるよう精進していきたいと思います。

| 神楽崎@管理人 | 2009/08/18 01:26 | URL | ≫ EDIT

コメントもらって読み返すと、けっこう誤字脱字があったりとかしますよね><
あと、もっといい表現思いついたりとか><
わたしもそれでけっこう手直ししてます(゜▽゜;)

| 月 黎風 | 2009/08/20 11:56 | URL | ≫ EDIT















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