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第八章 No.000 ⑦

 「─────がいだから!リーダー死んじゃやだ目開けて!」
遠くのほうで聞こえる声を頼りに、白くぼやけた視界がだんだんとひらけてくる。
半ば乱暴に身体を揺さぶられて、リーダーは唸りながら目を開けた。
 目の前にシュナの顔が覗き込んでいた。
 「ク・・・ソッ」
 俺は意識を飛ばしたのか・・・?
 頭を回転させようとする気持ちに抗うように、頭にはまだ鈍い痛みが残っていた。
 俺は残った最後のひとりを蹴り上げようとしたのだ。駄目だ。そこまでは覚えてる、そのあとが思い出せない。
 それにこれほどの激痛が襲ってきたのは初めてだ。もうこの身体にもガタがきてるってことか・・・。
 「リーダー!!血!お腹から血が出てるっ!!」
シュナはなおも絶叫気味に言っていた。脇腹あたりを触るとべっとりを赤黒いモノが手のひらについた。
 「・・・っるせーよ、これぐらいなんでもねえ」
傷も出血も致死量じゃない。傷口をまともに見なければ痛みだってたいしたことじゃない。
 リーダーはゆらりと立ち上がった。そして、転がっている男の死体に目を見開いた。
 右目と喉仏、それぞれに試験管が垂直に刺さっている。
 そして隣にいるシュナには、顔に血飛沫が飛び、手にはべっとりと真赤な血をついていた。
 「・・・おまえ・・・・・・」
 「ごめん、振り返るなって言ってたけど、だって銃声が聞こえて」半ば泣きそうになりながらシュナは言った。
 ・・・いや、いい。こいつが殺ったかどうかは。今はここから脱出することだけを考えろ。
 「ダストシューターまでの行き方は覚えてるな」
 「うん・・・、大丈夫」
シュナは自分の顔を強くこすって立ち上がった。

 1キロぐらいあるのではないかと思わされる程、曲がっては同じ光景が広がる細長く白い廊下をふたりは走った。
 リーダーは撃たれた傷を抑えるように上着をきつく腰に巻いていたが、それも気休めにならなかった。じわりじわりとパーカーに黒い染みが広がっている。
 シュナは汗の滲む額を拭った。
 ・・・それにしてもなんか妙だ。
 「お前も思ったか?」
一歩前を走るリーダーが言った。
 「うん、なんか変。さっきから妙に静かっていうか・・・」
 「誰も追ってこねえ」
 それは嬉しい予兆ではなく、逆に不安を掻き立てられるものだった。
 「リーダーが来るとき通った天井の上は?」
 「あれは排気口が限られてる。俺も全部の場所を覚えてるわけじゃねえ、探そうとしたって天井見上げてる間に殺されるのがオチだ」
 「じゃあ、やっぱしダストシューターしか逃げる方法はないってこと?」
 「そういうことだな、どっちにしろ見つかって殺されるかは運だけど」
やっと辿りついたダストシューターを目の前にふたりは立ち止まった。
 わたしは今までの持久走で喘ぐ息を整ええるのに必死だったが、いつも涼しそうな顔しているリーダーもこのときばかりは苦しそうだった。目にかかった髪の毛を掻き揚げる。
 壁にはシュナの肩幅より大きい四角い蓋があり、取っ手を引くと黒々とした穴が現れた。シュナが恐る恐る顔を入れて下を覗いて見たが、穴はまっすぐ下へと伸びていて、先が暗すぎて着地点が見えなかった。
 「それかこのまま表の玄関から堂々と出て行くか、どっちかだな。まあ、この先を落ちてったところで待ち伏せされてたら終わりだけど」
窮地のはずなのに、彼はニヤッと笑う。
 「・・・こっから行こう。玄関よりは・・・助かる見込みがあるかもしれない」
 「わかった。俺から行く。20秒数えたら来い」
 リーダーはダスト口の縁に座るかたちで足を入れる。
 そしてそのまますっと姿が消えた。
 
 いーち、にー、さーん、しーい

 シュナは心の中で、なるべく平常心で数えるように必死に数字を唱えた。
 長い20秒だ・・・

 汗ばむ手のひらを握った───
 


to be continued……



一瞬これまでシュナ視点だったのがリーダー視点に切り替わってます。
それが、前回の「その後の記憶──自分がとった行動はシュナにも曖昧である」の微妙なシュナの記憶ポイント・・・になってるかな?^^


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