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第四章 虚空の家 ②

 リン君は初対面なのにとても親しみやすい感じがする子だった。
 けど「よろしく」って・・・。わたしは孤児ではないのに、リン君はまるでこれから一緒に暮らしていくようなことを言ったのが妙に気にかかった。
 「ま、でもひとまず寝なよ」
欠伸交じりにリン君は言って、そのまま横になって顔が見えなくなった。
 「そうだな。もう遅い」
少年もそれだけ言うと、さっきゴミ袋から取った毛布を地面に敷いてそのまま寝る体制になっていた。
 この人たちはマイペースなの!?突然見ず知らずのわたしが来たのに驚きもせずに寝てしまった。なのにわたしだけがおどおどとしてその場で突っ立っていた。
 ど、どうしたらいいんだ。出てけとか何も言わないし、ここにいていいのだろうか。そもそもわたしは少年に連れられてここに来たのに当の本人はお構いなしにさっさと寝てしまっている。
 薄暗い中でボォというパイプ管に何かが通る音と時折聞こえる寝息の中、わたしはずっと胸の前で手をいじりながら立っていた。
 壁に張り巡らされたパイプ管を見るとリン君の下に長い髪の毛だけが垂れていた。女の子だろうか。わたしの隣にあるコンクリートのちょっとした段差の上には眼鏡をかけたまま寝ている男の子がいた。わたしより年下っぽい。まだ十歳そこそこといった感じだった。
 なんだろう、信じられないという気持ちが多かった。まさか自分の国に孤児がいたなんてまだ信じられないくて、驚きと同時になにかこう・・・モヤモヤした鉛のようなどんより重い何かが胸の中を渦巻いていた。
 原因がなんなのかなんて、本当は自分でもわかっていた。見知らぬ男に追いかえられた恐怖心、そして最後に見たぐったりとしたお母さん。
 まるで悪夢のようなさっきまでの出来事がわたしの頭の中を何度も思い返された。



to be continued……

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